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  会報「AMIGO」
     

「上海からフラメンコ・・・佐伯 泰英」 Vol.07(2000年3月5日発行より)

 
河上鈴子先生のスタジオを訪ねたのは何年前のことか。九品仏駅近くの平屋は、建物全体が傾いて、引き戸もなかなか開かなかった記憶がある。田の字に広がる座敷を板敷に改造して壁際に鏡が張られていた。戦前の日本の家屋だ。手を伸ばすと届くほど天井は低い。田の字スタジオの中心に柱まで立って、歩くとがたぴしする。が、日本のスペイン舞踊の誕生の地かと思うと私は感激した。先生はスタジオの隅に古新聞や雑誌で壁を築き、その中にちょこんと座っておられた。

1931年に発行された「犯罪科学」という雑誌に国際都市上海の租界風景を活写したルポが特集されていた。その中に無頼派の作者吉行エイスケ氏のエッセイがあって、毎日、黄包車(ワンポッツオ=人力車)に乗ってスペイン舞踊を習いに行く日本人のお嬢さんの話が書かれてあった。

それが河上鈴子の若き日の姿だ。上海に流れてきたスペイン人の芸人から伝授されたスペイン舞踊が、わが日本のフラメンコの原点(ルーツ)・・・・・ちょっと素敵な話ではないか。

photo:Y.SAEKI
今回、小林伴子先生が「カスタニュエラ、カスタニ ュエラ・・・」と「カスタニュエラ、カスタニュエラ・・・U」の二作品を評価されて、河上鈴子スペイン舞踊賞を受賞した。受賞理由はカスタネット演奏に新たな光を当てて、表現方法を見出したというものだ。

「カスタニュエラ・・・」の課題は小林一人で公演を演じきるということに尽きる。体力、表現力、集中心が持続できるかどうか。私の心配は杞憂に終わり、本人も大いなる自信を得たことだった。「カスタニュエラ・・・U」では小林と私、意見を異にした。ゲスト・アーティストをめぐってだ。彼女はタブラでやってみたいと望んだ。しかし彼女の叙情性を引き出すのに打楽器でよいのか、不安定のプロデューサーはまた心配に落ちた。が、彼女は公演が押し詰まっているというのにインドまでタブラ奏者を探しに出かけたのだ。だが、空振り・・・・・結局、東京で吉見さんと出会って、かくのごとき、うれしい結果となった。不安症が敢然行動派に打ち負かされた。

脱帽!そしてうまい美酒をありがとう!
 
 
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